【受験生への指南】数学編

   本学を受験するにあたって、文系理系を問わず、数学から逃れることはできない。文系の受験生の中には苦手意識を持ちながら勉強に励む人も少なくない。理系の受験生にとって、特に数学は理科と並んで大きな壁となって立ちはだかる。ここでは、筆者の経験を基にしながら、数学の勉強法についてアドバイスを送ろうと思う。




 数学はしばしば英語と並んで「積み上げ教科」と呼ばれる。学習したことを基に授業が進んでいくため、土台がしっかりしていないとその先に何も積み上がらなくなる。数学の勉強において最も大切なのは、分からないところが見つかったら、そこまで戻ってやり直すこと。この夏休みの間に分からないことが見つかったときは、ラッキーだと思ってその分野をしっかりやり直そう。試験直前になればなるほど戻ってやり直すのは難しくなってしまうが、焦らずしっかり戻ることが大切だ。

 さて、本学の2次試験を受ける前に、センター試験という第一関門を突破しなければならない。センター試験は2次試験とは異なり、膨大な計算量と60分という時間制限と闘う。過去問や模試、学校で配布される練習問題等を使って、センター試験特有の出題方法に「慣れる」ことが必要不可欠である。遅くとも11月ごろには手を付け始め、徐々に時間制限を意識して、また必ずマークシートを用いて問題を解こう。「マークなんてすぐ終わる」と考えている皆さん、マークは思っているより時間がかかるものだ。さらに、マークする箇所を間違える、いわゆる「段ずれ」を起こしたらせっかく解いた問題も台無しである。そのため、マークには慎重を期してほしい。マークシートに記入する時間を含めた時間配分を常に心がけよう。

 センター試験が無事終了したら、次は2次試験である。本学を第一志望としている受験生は、学校から配布される受験対策問題集に取り組むほかにも、積極的に大学別模試を受験したり、早いうちから過去問を解いたりして、実戦感覚を養おう。特に理系の受験生は、教学社の『東北大の理系数学15カ年』を秋ごろからやっておくと、センター試験終了後にアドバンテージとなることは間違いない。

 2次試験には大学ごとの特徴が色濃く表れる。本学の2次試験では、文系理系を問わず、確率と微分・積分は頻出だ。確率に関しては文系と理系で一部共通問題となることがよくある。文系の受験生にとっては少し難しく感じるかもしれないが、事象を数え上げることでどうにかなることが多い。また、微分・積分については、数多くの問題に当たっておくことが大切だ。特に理系は数学Ⅲで学習する積分の計算力が試される。

 理系は、それに加えて、抽象度の高く非常に解きにくい複素数平面の問題や、多くの人が苦手とする整数の性質に関する問題が頻出である。特に複素数平面については、学習指導要領の都合で過去問も少なく、対策のしづらい分野であるが、受験対策問題集に掲載されている問題や、東大・京大などの問題を解いてみるのが効果的だ。整数の性質に関しては、この分野特有の式変形に慣れ、さまざまなテクニックを習得することを心がけてみよう。問題を解いていてどうしようもなくなってしまったときは、習得したテクニックを使っていろいろな式変形を試すと、突破口が開けるかもしれない。

 最後に、筆者の高校時代の担任の先生の言葉をここに記そうと思う。「数学の問題を『解ける』段階になれば関脇。数学の問題を『理解できる』段階になれば大関。数学の問題を『人に教えられる』段階になれば横綱だ」。数学を得点源にしようと思っている人は、数学が分からない、教えてほしいという友人がいれば積極的に教えてあげよう。教えることで、自分の理解度もアップさせることができる。

 「継続は力なり」だ。最後まで諦めずに続けよう。受験生の皆さんの幸運を祈っている。

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